新型コロナウイルスの終息が見えない中,世界数多の航空会社で大型機の去就が話題になっています。『空飛ぶホテル』の名前をほしいままにしてきた,エティハド航空のA380型機も例外ではありません。
結局エティハド航空からのコメントや独断と偏見に基づく勝手かつ無責任な今後見通しについては末尾で述べるとして,本編では,エティハド航空の同型機に搭乗した時の記録を回顧的に振り返りたいと思います。航空業界の行く末などは,利用することで微力ながら応援することはできますが,現時点で何を言おうと,なるようにしかならないので。。。
搭乗記(@28番ゲート)
こじんまりとしていながら,ステーキが絶品だったファーストクラス・ラウンジを後にし,搭乗時間が迫ってきましたので,ゲートに向かいます。この日は第3ターミナル出発ピア28番ゲートがアサインされています。
ゲートでは,待合スペースに入る前に,搭乗券のチェックと搭乗前保安検査を受ける必要があるそうです。しかし,どうやら搭乗券のチェックのための列はクラス別に区別されておらず,ファーストクラスの客も同じ列に並ばなければいけないようで,これはいかがなものかと思いました。さすがに保安検査は2列用意されており,ビジネスクラス以上とエコノミーとで分けられているようですが。
ザ・レジデンスの客はアテンドが付くでしょうし,もしかしたらファーストクラスの客もラウンジからアテンドが付いたのかもしれませんが,ラウンジにて見ていてもそのような感じには見受けられませんでした。

ともあれ,待合スペースから搭乗予定のA380型機の姿を目撃し,胸が高鳴ります。ずんぐりむっくりした丸っこいフォルムはいつ見ても愛らしく感じます。ザ・レジデンスとファーストクラスは2階の前方に設置されています。

ザ・レジデンスはデッキ前方部左前に座席番号1Aとしてアサイン,その他はファースト・アパートメントが前後交互に配置されております。
2C / 2H:通路側に前向き座席が設置されている席
4A / 4K:窓側に前向き座席が設置されている席
3A / 3K:窓側に後ろ向き座席が設置されている席
1H / 5C / 5H:通路側に後ろ向き座席が設置されている席,となっています。
搭乗記(機内編)

乗り込みました。A380のアッパーデッキをこのように通路一本のみしかない贅沢な座席配置はエティハド航空の他にシンガポール航空くらいでしょう。

自席3Aは,座席が窓側かつ進行方向後ろ向きに設置されています。

着席した第一印象は,座席が広いのは当然として,シートがふかふかでした。左手にコントローラー,その下にイヤホンやUSB端子等が並びます。

左腕のひじ掛けにはメガネなどを入れる収納箱,小さなモニターと,リクライニングボタン等があります。

反対の右腕のひじ掛けにはダイニング・テーブルが収納されております。

着席して間もなく,係のバトラーが挨拶に来てくださいました。飲み物とデーツをいただきます。

キャビンには上の収納棚がなく,目の前のベッドスペースの下部にキャリーケース等をしまうことができます。座席を立って,上の収納棚を開け,荷物を下ろす手間がかからないため,これは大変便利でした。
離陸後の機内サービス

飛行機は定刻に離陸し,シドニーへと向かいます。14時間弱の長旅です。離陸後,ベルトサインが消灯し,ほどなくしてCAさんが3種のおつまみを持ってきてくれました。

ダイニング・テーブルがセットされ,食事の始まりです。因みに,エティハド航空にはシェフが搭乗しており,ギャレーにて調理を担当します。ガルーダ・インドネシア航空やターキッシュ・エアラインズにも,上位クラスの食事の調理を担当するシェフが搭乗していますね。シェフに,エティハドおすすめのカクテルをおすすめいただきました。甘めのカクテルでした。

コース料理一品目はキャビアから。

裏の原産国表示を見たら,ロシア産のキャビアだそうです。アブダビでは,キャビアの養殖が行われており,ザ・レジデンスでは,アブダビ産のものが提供されるのだとか。

前菜二品目は,マグロのソテー。ゴマが香るやや酸味のあるソースでいただきます。

メインの前に,なんと,お口直しとして,ライムのシャーベットをいただきます。写真だと結構オレンジっぽい色をしてますが,さっぱりとしたライムシャーベットでした。

メインは,ビーフテンダーロイン。彩が三色揃ってて,大変鮮やかですね。

シメのデザートはチョコレートのアイスクリーム。見てのとおり,とてもボリューミーでした。
機内散策(座席周りと機内ラウンジ)

座席の横には,観音開きの扉がついており,開けてみると,化粧スペースが現れます。各社大小の違いはあれど,ファーストクラスの席には化粧鏡が搭載されておりますが,ここまでスペースを割く大掛かりなものは初めて見ました。こちら,その見た目から「仏壇」と呼んだ方がよいかもしれません。

「仏壇」の下に,飲み物のストレージがあります。こちら,エミレーツ航空と違って確か冷えていたような覚えがあるのですが,すみません,実際ここの飲み物には手を付けなかったので,正直なところ覚えておりません。汗

ファーストクラス後部にあるギャレーのそのまた後方に,ビジネスクラスとの共用のラウンジスペースがあります。カタール航空やエミレーツ航空にも同じような設備はありますが,両社いずれも機体後方に設置されており,ファーストクラスの客が利用するには,ビジネスクラスセクションを通過しなくてはなりません。エティハドの場合は両クラスの中間に位置しておりますので,使いやすいです。スペースはさほど大きくはありませんが,ゆっくりできます。

種類も豊富にあり,適宜おつまみも持ってきてくれます。

そろそろ全体の行程の半分ほどになりますので,シャワーを利用したいと思います。
シャワー利用からの仮眠
エティハド航空のA380型機にもシャワーブースが設置されています。しかし,ファーストクラス9席にしてシャワーブースは1か所のみになります(エミレーツ航空は,14席のファーストクラスに2か所)。CAさんが予めしっかりとシャワー室利用時間の希望を取りに来てくれます。自分の場合は,離陸後7時間後にと伝えておきました。

こちらが,機体右手前方に設置されている,ファーストクラス客用のシャワーブースになります。エミレーツ航空の方は,シャワールーム(兼化粧室)全体は広いものの,シャワースペース自体は大柄な大人が一人入れるスペースといった感じでした。他方,こちらエティハド航空の場合は,全体の空間はそこまで大きくはないものの,シャワーブース自体はそこそこの広さがあるように思います。こちら,しっかりとドアのロックを「カチッ」と鳴るまで閉めないとお湯が出ません。

シャワーの方は悠長に浴びてはいられないので,サッと済ませて自席(自室?)に戻ります。正直なところ,機内でシャワーを浴びられるならせっかくだから浴びてみるかという感じで利用したに過ぎず,ファーストクラスに必須のアイテムかといわれると,あまり必要性は感じません。笑

シャワーを浴びている間にベッドメイクをしてもらいました。このスペースを専有できるのは大変贅沢ですね。今ではシンガポール航空のA380型機搭載の新型スイートクラスの方が個人の専有面積としては広いのでしょうが,あちらには共用ラウンジやシャワーが付いていませんから,総合的にはこちらの方がバラエティーに富んだ機内フィーチャーと言えそうです。

個人的には,エティハド航空のカラフルなデザインのクッションが気に入っております。

テレビはこのように手前に90度張り出させることができますので,ゴロ寝しながらテレビを観ることができます。

さて,眠りに就いて大体4時間ほどが経ちました。起床してしばらくそのままウトウト過ごしておりましたら,到着まで1時間を切っておりました。特にお腹が減ってはいなかったのですが,せっかくですので,最後にちょっとしたおつまみをいただきます。

カプチーノとフルーツの盛り合わせ。

更に,おつまみとして,キャビアが残ってるとのことでしたので,ありがたくいただきました。最後の最後まで贅を尽くしたフライトで大変満足しました。
なお,今回は某年12月の搭乗でしたので,南半球にあるシドニーは真夏です。今回は,預入荷物を持参せず,カメラバッグとキャリーケースという軽装備でしたので,そそくさと必要な手続を終えて街中に繰り出しました。現地の気候と不釣り合いなクリスマスツリーを眺めながら機内レビューを終えたいと思います。

最後に,前記事冒頭で紹介しました,エティハド航空のA380型機の今後についてですが,同社の報道担当者によると,引退の噂はフェイクとのこと。同社のフラグシップ機であるA380型機の引退などは検討していないし,航空機の運航制限が解除されたら元の運用に復帰させる予定である,A350型機についてもルート選定を行ってきている,と述べております。
他方で,やはりA380型機の就航先は,前述のとおり欧米のメガシティーが中心で,特に現在COVID-19の流行が深刻な地域ですので,「まずは流行の収束→旅客需要の回復→A380の運行再開?」という何段階にもわたるステップを経ないと運行再開は見通せず,前途多難であると思われます。いずれにせよ「火の無い所に煙は立たぬ」ですので,個人的には全くのデマ情報ではないのではないかと懐疑的にみております。
ウイルスの流行終息と共に,大人しく吉報を待ちたいと思います。
(以 上)