少々衝撃的というか,やはりそうかと腹を括るべきなのか,一部旅行サイトにて,エティハド航空がA380型機を運用に復帰させず,発注中のA350型機をキャンセルするという話が浮上しました。

新型コロナウイルスの流行収束が見通せない中で,人の移動が極端に減少し,特に深刻な影響を受けている航空業界ですが,飛行機の機材面に注目すると,大人数を定期的に輸送しなければ採算が取れない大型機は,先行きが暗いと言われています。

中東御三家は全て,多かれ少なかれA380型機を保有しておりますが,その中でも,エティハド航空のそれは,機内シャワー,ビジネスクラス客以上が利用可能な機内バー,個室ファーストクラス,そして何よりも,ファーストクラスの上位クラスである「ザ・レジデンス」を搭載し,正にエミレーツ航空以上に「空飛ぶホテル」の名前をほしいままにしてきたといえます。

他方で,同社はA380型機を10機しか保有せず,新型コロナウイルスの流行に伴う運行停止前の2020年2月現在,就航先はロンドン(3~4便/日),パリ,ニューヨーク(2便/日),シドニー(2便/日),ソウルと,非常に限られた路線にしか飛んでおらず,エミレーツのA380型機と比べて万人にとってアクセス可能な機体ではありませんでした。

ジャンボジェット機(B747シリーズ)以来の大型旅客機として,世界各地で親しまれてきたA380型機ですが,以前アブダビ→シドニー間(EY450便)」ファーストクラスを利用した経験がありますので,もし仮に同機が引退ということになると,一層悲しい気持ちになります。

こうした経緯もあり,今回はA380型機の運用復帰を祈念しつつ,過去の回顧録として,その機内模様を御紹介していきたいと思います。

旅行詳細

[旅行ルート]

EY020 London (LHR) 14:05 → Abu Dhabi (AUH) 01:00+1 A380-800
EY450 Abu Dhabi (AUH) 09:40+1 → Sydney (SYD) 6:40+2 A380-800

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ロンドンからアブダビまでは7時間弱のエコノミーですが,アブダビからシドニーまでは14時間強にも及ぶファーストクラスでの長距離フライトです。

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今回のルートを地球儀上で見ると,イギリスにとっての対蹠点はオーストラリア東部であり,両地点間を旅行するとなると,地球の裏側に移動する感じになります。両国間は,英語圏ということもあり人の往来が激しいため,両国を結ぶ路線は日系エアライン(東京乗継)も含めて激戦区となっており,地球半周でありながらも運賃は割と安めに設定されています。

[かかった費用]

全区間アワード利用(アメリカン航空AAアドバンテージマイル)
使用マイル数:片道Y+F(LHR発Yクラス,AUH発がFクラス)合計120,000マイル
諸税手数料等:218USD(LHR発区間が162.60ドル,AUH発区間が55.40ドル)

※ここで苦戦しまして,アメリカン航空のアワード必要マイル数チャートを見ると,ファーストクラス利用でのヨーロッパからオセアニアへの通しでの必要マイル数は115,000マイルです。しかし,これはワンワールド提携会社利用でルートを組むときのもので,しかもヨーロッパからオセアニアへ移動する際に,「Europe → South Pacific」の必要マイル数チャートを適用できるのは,カタール航空かカンタス航空利用時のみとのことです。今回,アメリカン航空とは個別提携会社の関係であるエティハド航空で全区間ファーストクラスを利用する場合,航空券は別切りとなり,162,500マイル(アブダビまでが62,500マイル,アブダビからが100,000マイル)も必要となるそうです。汗

※また,「諸税手数料」に関して面白い現象が起きており,なぜかロンドン発区間の方がエコノミー利用かつフライト時間が短いのにアブダビ区間発のおよそ3倍弱となっています。これは,ロンドン発の場合,あの忌まわしきイギリス出国税が課せられるからであり,エコノミー利用の長距離線(欧州域外線)利用場合で約1万円徴収されます。これがプレミアム・エコノミー以上のクラスになると一律に2倍近くに跳ね上がるため,仮にこの区間をファーストにした場合,かなりお高くなっていた可能性があります(ていうか,いい商売してるわ)。笑

搭乗記(空港ラウンジ編)

本当は贅沢にヒースローからシドニーまで通しでファーストクラスを利用したかったのですが,マイル節約のために,ロンドンからエコノミーを利用してアブダビに到着しました。とはいえ,機材がA380-800でしたので,機内はとても快適でしたが。

アブダビ国際空港は,エティハド航空のハブであり,世界各地に自社便を就航させておりますが,空港自体は近隣のドバイ国際空港とかと比べるとこじんまりとしています。聞いた話では,同じ敷地内に大きな新ターミナルビルが完成間近であるそうです。

さて,深夜に到着しましたが,やはり世界各地へのハブ空港だけあって乗り継ぎ需要が高く,多くの人が乗り継ぎレーンに進みます。

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上の地図にある第3ターミナルに到着し,そそくさと保安検査を通過,制限エリアに進みます。第1と第3ターミナルの中間点に位置するエティハド航空のファーストラウンジに向かいます。それにしても,乗り継ぎの保安検査を受けて目の前に入口にあるとは,中々コンパクトでいい作りですね。

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ファーストクラスラウンジ入口
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アラビック・コーヒーが置いてあります。
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こちらは,コンシェルジュデスク。
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ラウンジ入って左手にあるダイニングエリア①
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ダイニングエリア②

ラウンジに入ると,コンシェルジュデスクが左手にあり,その向こうにダイニングエリアが広がっています。朝・昼・晩とメニューの中からアラカルトでメニューを選択し,調理してくれます。

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まだまだ続くダイニングスペース
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バーカウンター

ダイニングスペースを奥に進むと,左手にバーカウンターが設置されており,様々な種類のお酒が陳列されています。アラベスク模様の天井がとても素敵です。

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バーカウンターの先のシッティングスペース①
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バーカウンターの先のシーティングスペース②

上の写真左側の,壁が紫色に光っている闇の空間は,ナッピングエリアです。

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バーカウンターを左目に廊下を進んだところまでがラウンジの休憩スペースです。従って,ドバイ国際空港のエミレーツ・ファーストクラス・ラウンジや,ドーハ・ハマド国際空港にあるカタール航空の Al-Safwa ファーストクラスラウンジよりかはこじんまりとしたラウンジです。

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前掲写真中の突き当りのシーティングスペースになります。小生はこちらで毛布を借りて8時間先となる乗り継ぎ便に向けて,仮眠を取らせてもらいました。

ラウンジ内の他の施設

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ラウンジ内来た道を戻りまして,入口をそのまままっすぐ進むと,Six Senses のスパのコーナーがあります。ファーストクラス利用者はこちらで15分のマッサージを受けられますが,自分は受けませんでした。

また,以前はファーストクラス・ビジネスクラス客を対象に,ヘッドスパ(散髪:カット,シェービング,ヘアブロー等)を受けられたようですが,このサービスはなくなったようです。

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フィットネス・ルームも完備されています。

ここで,旅行者にしては大きすぎるカメラをもってラウンジ内を闊歩していたら,素敵なお姉さんの目に留まり,何と,ザ・レジデンス利用客が利用できる個室を見せてくれるとの嬉しいオファーをもらいました(因みに,法外な値段を払えば一般客も利用可能)!

特別編:ザ・レジデンスゲスト用の個室

場所は,ファーストラウンジ内に2か所,コンシェルジュデスクに向かって左横,又は,スパ・コーナーの向かいにあります。今回紹介いただいたのは後者の方になります。

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家族(王族)での利用を想定しているのでしょうか。確か,レジデンスクラスは定員2名だったと思うので,ハイパー金持ち夫婦とかがこちらで優雅な時間を過ごすのでしょう。白目

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備え付けのソファーもふかふかでした(ちゃっかり座らせてもらいました笑)。

シャワーを利用し食事

さて,ラウンジの取材を続けていたら,もう時間は夜中の3時を回るかということになりました。そろそろシャワーを浴びます。

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アメニティーは基本備え付けのもの,シャンプー・リンス・ボディーソープと一通り揃ってはいます。清潔感に溢れています。

シャワーを浴びて気持ち良くはなりましたが,飛行機を降りて3時間ほどが経ち,いい加減お腹がすいてきたので,食事に移ります。ダイニングスペースへと駒を進めます。

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これはファーストラウンジならではの特徴ではありますが,食事の提供がビュッフェスタイルではありません。しかしながら,朝食時間になると,ビュッフェコーナーにパティスリー等が並ぶようです。深夜でありながら,自分の体に遠慮なくステーキを注文しましたが,これがとても美味しかったです。

ステーキを完食した後は,先ほどのシーティングスペースに戻り,お借りした毛布にくるまって夜明けまで仮眠を取らせていただきました。

ラウンジの紹介は以上とさせていただき,次のページでは機内の様子(と,A380型機の今後に関する個人的見解・・・)を紹介いたします。

(機内編に続く)

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